
私が小学生のころ、「犬を飼おう」と両親の一言で突如わが家にやってきた柴犬。なかなか名前が決まらず、結局祖母の家で飼われていた犬と同じ名前の「ロン」に決定。ロンはとにかく落ち着きのない愛犬だった。散歩に連れて行こうと庭の扉を開けた瞬間、大脱走は日常茶飯事。彼は、私が追いかけてくる姿を一定の距離を保ちながら後ろ走りしながら逃げていく。追うのを諦めた私は自宅の玄関先に隠れてロンの帰りを待つこと1時間・・・。自由気ままに逃亡から帰還した彼の満足げな表情は、今でも忘れられない。ロンにとって一番のご主人は、ご飯を与えてくれる母だった。小学生だった私のことはおそらく下に見ていたのだろう、逃亡後しばらく説教タイムを続けたが全く効き目なし。また「ゆっくり歩けばいいのに・・・」と、常日頃思っていた散歩も、リードをグイグイ引っ張って歩くため、ロンはゲーゲーと嗚咽するほど。隣の大型犬とのケンカも絶えなかった。決闘の末、犬歯が抜け落ちてしまうハプニングも。そんなわんぱく犬「ロン」だが、晩年はフィラリアにかかってしまい、およそ10年の生涯を終えた。家族にはとても優しく、私が親に怒られたときは、そっと傍に寄り添って慰めてくれた。ロンが旅立ってから25年あまり。チワワの「レオ」がやんちゃぶりを発揮しているわけだが、ロンとレオはどことなく顔が似ている気がする。家族全員、口を揃えてそう言っている。チワワなのにパピヨン犬によく間違われるからなのか?我々は「ロン」の生まれ変わりと信じて毎日レオを溺愛している。
